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桜蔭塾 第21回講座報告

お茶の水女子大学元副学長​

藤原 葉子 

​かしこい油の選び方

 第21回桜蔭塾では、お茶の水女子大学元副学長で2024年3月よりお茶の水女子大学名誉教授、現在は(一社)栄養改善普及会会長としてもご活躍されている藤原葉子先生をお迎えし、「かしこい油の選び方~健康と持続可能な地球のために~」と題してご講演いただきました。会場とZoomのハイブリット配信で約90名が受講しました。

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  まず「食と健康の正しい情報」について、折しもサプリメントの安全性に関心が高まっているこの頃、何が入っていてどのように効くか、摂取してどんな作用があるかなど科学的根拠に基づいた正しい情報を得て考えることが大切であること、健康食品も分類や基準、特徴や安全性・リスクを理解して、自身の体に入るものとして判断し選択していく必要があるというお話が印象的でした。

 先生のご専門である油・脂質については、科学的根拠となる研究の「量と質」についてや、オレイン酸やリノール酸、α-リノレン酸など脂肪酸の特徴や構造を化学式やグラフでお示しになり、それらが含まれる菜種油やオリーブオイル・大豆油・アマニ油・こめ油など色々な植物油の種類と効用や選ぶポイントなどを、クイズも交えてわかりやすくご説明くださいました。

 また油を取り巻く環境について、最近の価格上昇一つにも、原料の生産や輸入を含む国内・世界情勢、気象・金融・リサイクルの問題など社会の様々な影響をはらんでいるという大切な視点をご教示いただきました。
​ 誰もが気になる身近な食に関するテーマで、タイムリーな話題も盛り込んでくださったとあって、受講者は大変興味深く聞き入っていました。藤原葉子先生、ご講演本当にありがとうございました。

★受講者からの感想★

・先生の穏やかな口調で、油についてわかりやすい説明ありがとうございました。知らないことも多く有意義な時間でした。ありがとうございます。

・オリーブオイルや魚もそこそこ食べているし、結果的に今の食生活を続けていればよいのだと思った。難しくてついていけなかった話題もありましたが、理路整然としたお話でたいへん勉強になりました。

・対面の良さとして、先生に直接、質問が出来て、助かりました。深く御礼申し上げます。 藤原先生も著者の一人である「新スタンダード栄養・食物シリーズ」の栄養学の本を読むだけでなく、お話を伺えると、より理解が深まります。

・紅麹のお話などもしてくださり、色々と参考になりました。所々専門的でちょっと難しかったです。もっと資料を見たいと思ったのに次に行かれてしまったことがあったのと、最後の方が駆け足になってしまったのが少し残念でした

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・家庭では、サラダ油、ゴマ油、オリーブ油、たまにアマニ油を揃えるのがせいぜいです。サラダ油としてキャノーラ油。大豆油、コーン油等々紹介されましたが、価格、賞味期限の制約もあり、健康効果や料理法によって使い分けるのは難しいな、と思いました。​
 

・パワポ資料がとても見やすかったです。 単純なYES/NOではなく、はて?と考えされらる問だったことがとても新鮮でした。正解は(0か1かの)一つではないことを気づかせてくれる質問でした。

・日々の暮しの中で、食材一つとっても多様な選択肢のなかで自分は何を優先するのかについて、思慮深くありたいと改めて思いました。

・アカデミアでも、自然科学系の研究者の倫理感が問われる時代、命に直結する食物、栄養化学の分野、藤原先生には、今後も志のある研究者のフロントランナーとして、そして後継者の育成にも益々ご尽力頂けるのではと期待しております。 今日は、貴重な講演を聴講できて大変有意義な時間を持つことができました。

・とても興味深く視聴できました。色々データなど豊富でトレースできなかったところがあり、レジュメ的なものの配布があればよいのにと思いました。

・油について断片的な知識しかありませんでしたが、全体像がわかるようになりました。油の種類、語源(キャノーラは「カナダの」という意味、オレインの語源はオリーブ、など)、特徴などがわかりました。 ただ、英文科卒の私には理解できない化学用語が多かったので、難しく思うことが多かったです。

・とても有意義でした。 もっとお話し聞きたかったです。

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